延焼阻止=人命救助

・観察と判断 → 延焼阻止 → 人命救助 → 救急
・優先すべきは住宅地火災(要救助者多数の火災地区)
・救急隊員もポンプ車に乗る
・救助は警察・自衛隊でもできるが消火は消防にしかできない
・自衛隊は地図さえ渡せばOK,警察は地域情報に精通

「観察と判断」をしたら、次に優先したのが「延焼火災の阻止、人命救助、救急」という流れであった。3つの消防署の対応を調査して明確になったのは、「火事を消すということ」イコール「そこに埋まっている人の命を助けること」、つまり延焼阻止はまさに人命救助そのものなのだという考え方に立って火災を優先させたわけであり、決して生き埋め者を見捨てたのではないということである。一人でも多くの生き埋め者の命を救うために優先すべき火災現場はどこなのか,今回のケースでは住宅火災現場であった。木造住宅が倒壊して多くの人が住宅の下に埋まっている所で延焼火災が起こっている現場を最優先している。ただしこれは要救助者がたくさん発生している火災地区を優先させるということであり、それがどこになるかはケースによって違うであろう。この段階では救急隊員もポンプ車に乗ってもらわなければいけない。救助は警察にも自衛隊にもできるが消火は消防にしかできない。自衛隊は地図を渡しておけば,地理に不案内であっても救助活動できる。警察官は消防以上に地元の情報には精通しているのだから、人命救助は自衛隊や警察でも十分できる。ただし今回の調査では、全てのフェーズの中で警察官の活動というのは何も出てこなかった。